兵庫県豊岡市の南東部にある出石という場所があります。出石城を中心に伝統的な建物が並び、「但馬の小京都」と呼ばれるほど趣のある町並みになっています。
この出石ではずせない名物が「皿そば」。
江戸時代中期の宝永3年(1706年)信濃国上田藩より但馬国出石藩に国替えとなった仙石政明が、蕎麦(信州そば)職人を連れてきたことに始まるとされる。現在は割り子そばの形態をとっており、この形式となったのは幕末の頃で、屋台で供される際に持ち運びが便利な手塩皿(てしょうざら)に蕎麦を盛って提供したことに始まるとされる。昭和30年代(1955年-1964年)に「出石皿そば」として現在見られるスタイルが確立された。
wikipediaより
今回、この皿そばの食べ歩きと城下町巡りに行ってきましたので、レポートいたします。
出石へのアクセス
出石へ鉄道で直接行くことはできないので、JR豊岡駅から路線バスで行くことになりますが、中心市街地に公共の駐車場が整備されており、1日400円で利用できることを考えると車で行った方がいいでしょう。
一番便利なのは「大手前駐車場」。いずし観光センターが目の前にある駐車場です。付近に市役所の駐車場もありますが、平日は観光客は利用できませんので注意してください。
出石皿そば巡り巾着セットでお得に食べ歩き
初めて出石を訪れるなら、「出石皿そば巡り巾着セット(1800円)」をの購入がおすすめ。
このセットで、3件のそば店で出石皿そばをお食事いただけます。セットの巾着はなめらかで絹の風合いが美しい出石の特産品『出石ちりめん』を使用しております。その格調のある繊柄は、日本の伝統工芸品にふさわしいものです。出石皿そば巡りの後には、オシャレな小物入れとしてご利用いただけます。
但馬國出石観光協会公式サイトより
このセットを買うと、加盟するそば店3店舗で0.6人前(3皿)のそばを食べ比べることができます。
巾着と一緒に、加盟する店舗が一覧になったチラシをもらえます。ここに「そばの太さ」「見た目」「だしの甘辛」が書いてあるので、参考にしながら好みの店をみつけましょう。
出石皿そば巡り巾着セットの購入場所
写真の建物が「いずし観光センター」。建物に向かって右の入り口(白いのれんのかかている所)が「出石まちづくり公社」になっており、そこで購入できます。使い方なども丁寧に教えてくれます。
皿そば巡りと一緒に城下町巡り
出石城跡を中心に古い趣のある町並みが広がっており、カフェや土産物店も多く、そば以外の楽しみもあります。
写真は平日の様子です。土曜日にはそれなりの人手はありますが、混雑といったほどではありません。また、そば店が数十店舗あるので、昼食場所に困ることもありません。
一部の人気店には少し行列ができていましたが、どこで食べても美味しいそばがいただけます。
出石皿そば巡り巾着セットで巡ったそば店レビュー
今回いただいた3店舗のレビューをのせてみます。筆者の好みは「甘めのだし」なので、この条件に絞って店選びをしました。
湖月堂 内堀店
【そばの色:やや黒 そばの太さ:普通 ダシの甘辛:やや甘】
いずし観光センターからすぐの場所にあったので言ってみました。純和風の建物で、1階が雑貨店、2階が食事処になっています。
通常の1人前は5皿で提供されますが、皿そば巡り巾着セットでは3皿です。薬味として、ねぎ・わさび・とろろ・たまごが付いてきます。
食べ方はお店の人が丁寧に説明してくれます。だしが徳利の中にたっぷり入っているので、薬味ごとに入れ直して楽しむことができて、そば湯も十分楽しめます。
席は窓に面したカウンターが掘りごたつ式。中央のテーブル席は座布団に座るタイプなので、足の悪い方はカウンター席がいいでしょう。
如月
【そばの色:やや黒 そばの太さ:やや太 ダシの甘辛:まろやか】
こちらのお店も和風の作りで、町並みに溶け込んでいます。ダシがまろやかということで選んでみました。
こちらのお店では生わさびとおろし金が付いてきて、風味豊かなわさびを味わうことができます。ねぎやトロロの他に、うずらの卵または大根おろしを選ぶこともできます。
麺は太めでしっかりしたそばの味がありました。だしはやや薄め。濃い味のものに慣れている筆者にとっては物足りない感じでした。
天通
3店舗目は中心地からは少し離れた「出石市営駐車場」近くにあります。
【そばの色:やや黒白め そばの太さ:やや細 ダシの甘辛:やや甘】
例にもれず純和風の店構えですが、入りやすい雰囲気のお店です。そばは意外とお腹にたまるもので、3店舗目になるとお腹もいっぱいです。
こちらのお店でも生わさびが付いてきます。細めの麺が筆者好みでしたが、3店舗目になると食べなければいけないというノルマ感と満腹感もあって、正直、味はあまりわかりませんでした。
ただこのお店で良かったのは、いなり寿司があったこと。しかもかなり美味しかったです。他のお店では丼をはじめ、ご飯物はなかったのでうれしかったです。
まとめ
もういらないと思うほどそばを食べたのは久しぶりでしたが、とても楽しめました。帰りにはいずし観光センターでお土産を買いましょう。巾着袋を見せると5%引きで購入できます。
どのそば店も皿そば1人前(5皿)で800~900円で提供されています。純粋にそばを食べるだけでいいのであれば、巾着セット1800円は割高ですが、観光施設の割引・お土産品の割引・イベント性を考えると、悪くないと思いました。
やや不便な場所ではありますが、混雑しすぎずに美味しいそばをいただける場所としておすすめです。
但馬國出石観光協会公式サイト
http://www.izushi.co.jp/